NEWS / INFOMATION
NEW ARRIVALS
BEST NEW ALBUM
VAMPIRE WEEKEND / ONLY GOD WAS ABOVE US
「Coachella 2024」にてこれ以上ないくらい最高のパフォーマンスで帰ってきたUS Indieシーンの至宝中の至宝Vampire Weekendの5thアルバム。デビュー・アルバム『Vampire Weekend』、続く『Contra』、3rd『Modern Vampires of the City』、そして前作『Father of the Bride』と、ディスコグラフィーを羅列しても明らかなとおり名盤しか生んでいないとんでもないバンドである。そして今作はこれまでの彼らの全キャリアのセルフオマージュ、あるいは集大成的な弩傑作で、VWの最良の部分を抽出しつつ、コンパクトでほどよくルーズにまとめあげた。何より、「このくそったれな世界 (Ice Cream Piano) 」を示唆しつつも、冷笑したり中指を立てるのではなく、そっと手を差し伸べるかのようなオプティミズム (Hope) が全編に溢れており、VWがいかに愛と知性によって形成されたバンドであるかを最も認識させてくれるアルバムではなかろうか。ちなみにオルタネイトスリーヴよりも私は断然こっちのオリジナルスリーヴの方が好きです2LP。
BEST NEW ALBUM
LYNKS / ABOMINATION
2020年にリリースされたEP『Smash Hits, Vol.1』でアンダーグラウンド・クラブ・シーンに躍り出てからというもの、この奇妙奇特なアーティストのアルバムを待ちわびた人は星の数ほどいるであろう、クイア・ドラッグ・ポップ・シンガーLynksによる待望のデビューアルバムその名も『Abmination (嫌悪すべきもの)』。クイア & レイヴ&パンクカルチャーが混然一体とミックスされたオルタネイティヴなサウンドスタイルは次に何が起こるか全くもって予測不能。なにより扇情的でラディカルなリリックと特筆を免れない驚異的なビジュアルセンスは欺瞞という名の眉間にとびきりの笑顔でピストルを突き付けるジョーカーの如し。男であり、女であり、神話であり、伝説であり、宗教でもあるLynksのデビューアルバムがマッドマックスシリーズの新作『フュリオサ』と同年に生まれた事は偶然ではあるまい問答無用のBest New Album。